ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第7番 第2楽章 Op.10-3

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier Nr.7 2.Satz Largo e mesto

作品概要

楽曲ID:30698
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:10分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (2)

解説/演奏のヒント : 菊地 裕介 (326文字)

更新日:2020年4月1日
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第2楽章

ベートーヴェンの初期の作品のうちでも、人間心理のもっとも暗い深淵部を描いたものとして傑出した音楽性を持つ。ここでも動機aと動機bはともに現れるが、第1楽章が主に動機aを展開していたのに対して、この第2楽章では冒頭部より動機bが極めて強い印象を与える。動機bの3つの音に潜む4度音程が、ここでは大きく変容しており(完全4度→減4度)、上昇を拒むこの音程が心理的な強い閉塞感を示唆している。

多くの不協和音、特に減七和音は繰り返しffで強奏され、パニック的に肥大する心の悲鳴を演出している。長いコーダは迷いとともに螺旋状に上昇し、天に助けを乞うが、啓示へは至らず、多くの減音程(減4度、減7度、限3度)が訴える深い絶望とともに再び深淵へ沈没して行く。

執筆者: 菊地 裕介

解説 : 齊藤 紀子 (89文字)

更新日:2019年3月5日
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