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モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第17(16)番 第2楽章 K.570

Mozart, Wolfgang Amadeus : Sonate für Klavier Nr.16 Mov.2 Adagio

作品概要

楽曲ID: 30520
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:7分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:9件
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解説 (2)

解説 : 岡田 安樹浩 (194 文字)

更新日:2019年6月19日
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第2楽章 変ホ長調 4分の4拍子

Adagioの緩叙楽章。分散和音の下行・上行を描く旋律線は、第1楽章の主要主題との親近性を意識させる。ハ短調のエピソードをはさんで主題が回帰し、今度は変イ長調のエピソードがあらわれる。変ト音の出現によって変ホ短調を思わせながら、属和音を経由し、主題が回帰する。なお、この2度目の主題の回帰直前において、新モーツァルト全集はアインガングの挿入を提案している。

執筆者: 岡田 安樹浩

演奏のヒント : 大井 和郎 (582 文字)

更新日:2025年10月9日
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綺麗なアリアですが、この曲は奏法によって激変する曲でもあります。この第2楽章を弾くにあたり、注意することが2つあります。1つは、タイミングの問題で、ルバートを少し使い、少しだけロマン派の曲に近づけることで、曲は格段に美しくなります。とは言え、古典派のソナタですので、ロマン派の作曲家の様には弾けませんが、その一歩手前で、自由に弾いて良い曲です。むしろ、メトロノームから遠ざかる方が良いです。

もう1つは方向性です。常に「何処に向かって進んでいるのか」を表現して下さい。例えば、5小節目であれば3拍目右手のAsへ、6小節目であれば3拍目右手のBへ、それぞれのポイントに向かって進んで行く感じを出さなければなりません。そして例えば5小節目で3拍目のAsに達したときAsに少しだけテヌートをかけ、時間を取ることで方向性がよりクリアーになります。

百文は一聴にしかず。この第2楽章は、中川京子さんがこのサイトでほぼ完璧な理想を演奏してくださっています。筆者であればもっと崩すかも知れませんが、中川さんは細かい気配りで自由に時間をコントロールし、加えて方向性をクリアーに聴くことが出来ます。ご参考まで。

執筆者: 大井 和郎