モーツァルト :ピアノ・ソナタ 第10番 第2楽章 K.330 K6.300h

Mozart, Wolfgang Amadeus:Sonate für Klavier Nr.10 Mov.2 Andante cantabile

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分30秒
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解説 (2)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1080文字)

更新日:2018年7月19日
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この第2楽章のアイデアとしては、オペラのアリアの1つであり、歌が全編にわたって流れている事にあります。つまり、歌の部分、オーケストラの部分、が交互に現れるのではなく、最初から最後まで歌の部分は途切れないと考えます。故に、オーケストラであろう部分、たとえば2小節目、2-3拍間のフォルテの部分も、オーケストラ+歌と考えます。

形式はいろいろな考え方があるとは思いますが、ABAとします。A 1-20 B 21-40 A 41-64 になります。最初のAは更に2つに分けられ、A1 1-8 A2 9-20 とします。

1-8小節間、フレーズは2小節単位と考えます。そうすると4つのフレーズがA1にあることになります。1 アーフタクトから2小節目2拍目表拍まで。2 2小節目2拍目裏拍から4小節目2拍目表拍まで。3 4小節目2拍目裏拍から5小節目2拍目表拍まで、4 5小節目2拍目裏拍より8小節目2拍目表拍までです。

これら4つのフレーズは全て表情が異なります。それぞれどのような気持ちで歌っているのかを考えて演奏します。4つめのフレーズは独唱の部分が多く、スタッカートで下行してくる部分は笑いの部分とも取れます。このA1は穏やかな感情の演出になります。

対してA2の部分はテンションが高まります。新しい展開、今まで打ち明けたことのないお話のようなイメージでしょうか。この中もフレーズがいくつにも分かれていますね。ここでもやはりひとつひとつのフレーズにどのような感情が伴うか考え、それぞれの表情を変えていきます。

Bセクションは打って変わり、これまでの表情とは異なり、悲しみの表現もありますね。そしてオーケストラの伴奏部分が多くなるところです。拍を刻む8分音符や16分音符がありますね。

ところで、この楽章の中の1つの主題は3つの連打音で始まります。たとえばアーフタクト1小節目のC3つ。12小節目のC3つ。20小節目Bに入る部分のAs3つなどです。ピアノの演奏で注意をするのは連打音です。連打音は音楽を時に硬く聞こえさせます。連打音を弾くときは十分な注意が必要です。これらの連打音は3つともう1つ同じ連打音がありますね。1小節目、アーフタクトにCが3つ、1小節目1拍目にCが1つ、合計4つの同じ音が来ます。このときにこの4つを決して同じタイミングや音量で弾かず、4つめの音に向かっていく感じを出します。この向かっていく感じを出すことで、硬さを取ることが出来ます。逆にしてはいけないことは、メトロノームのように、この4つの連打音を全て同じ音量で弾いてしまうことです。ご参考まで。

執筆者: 大井 和郎

解説 : 岡田 安樹浩 (187文字)

更新日:2019年6月19日
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