モーツァルト : ピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K.503
Mozart, Wolfgang Amadeus : Konzert für Klavier und Orchester Nr.25 C-Dur K.503
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 稲田 小絵子
(544 文字)
更新日:2007年10月1日
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執筆者 : 稲田 小絵子 (544 文字)
1784年から86年の間に集中的に作曲されたピアノ協奏曲もこの作品で一段落する(次のピアノ協奏曲は約1年3ヶ月後)。モーツァルトの自作品目録によれば、第25番の完成は1786年12 月4日となっている。翌日に企画されていた待降節の予約演奏会のための作品であったと思われる。
冒頭のファンファーレが華々しい展開を予感させるが、全体的にはむしろ洗練され充実した内容に注目させる作品である。とはいえ、特に両端楽章のピアノの目まぐるしく動き回るパッセージは当時の観客から喝采を浴びたことだろう。
第1楽章のモーツァルト自身によるカデンツァは残されていない。
第1楽章:アレグロ・マエストーソ、ハ長調、4/4拍子。協奏的ソナタ形式。バロック的な祝祭音楽のようであったり掛け合いのある室内楽のようであったりといったコントラストに満ちた楽章。ピアノは主題の背景を彩る細かなパッセージを受け持つときも不思議と存在感を消すことはない。
第2楽章:アンダンテ、ヘ長調、3/4拍子。動きの激しい両端楽章に挟まれた長閑な緩徐楽章。
第3楽章:[アレグレット]、ハ長調、2/4拍子。ロンド形式。縦の響きは決して厚くない。素朴な旋律に分散和音の伴奏という形態が目立ち、ピアノ声部も管楽器に絡みつくような伴奏に徹する部分が多い。
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