モーツァルト : ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K.459
Mozart, Wolfgang Amadeus : Konzert für Klavier und Orchester Nr.19 F-Dur K.459
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 稲田 小絵子
(666 文字)
更新日:2007年11月1日
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執筆者 : 稲田 小絵子 (666 文字)
モーツァルトの自作品目録によれば、この作品は1784年12月11日に完成した。実り豊かなこの年の6作目となったピアノ協奏曲である。初演の時期は不明であるが、ちょうど翌日に予約演奏会が開催されていたので、そのときであったかもしれない。
この作品が《第二戴冠式》と呼ばれるのは、1790年10月15日、レオポルト二世の戴冠式の祝賀祭において、モーツァルト自身によって奏されたという初版譜の記述による。同時に演奏された第一の《戴冠式》は、1788年作曲の第26番K.537である。
編成に関しては、第26番と同様にトランペットとティンパニと含むことが自作品目録に記されているが、実際にはそれらのパートは失われている。別紙に書かれたものが紛失したのか、あるいは単に彼が書き間違えた(通常、モーツァルトはヘ長調作品にこれらの楽器を使用しない)のか、不明である。
第1楽章にはカデンツァが、第3楽章にはカデンツァとアインガングが残されている。
第1楽章:アレグロ、ヘ長調、2/2拍子。協奏的ソナタ形式。冒頭の弦楽器にフルートが加わっていることから象徴されるように、この快活な楽章では木管楽器が効果的に活用されている。
第2楽章:アレグレット、ハ長調、6/8拍子。子守唄のように安らかな主題から成るが、途中で木管楽器とピアノによる短い短調部分が2回現れる。
第3楽章:アレグロ・アッサイ、ヘ長調、2/4拍子。冒頭のアウフタクトを活かした軽やかな主題が楽章全体を騒がしく飾り立てる一方、フーガ風の主題が低音を伴って重々しく現れ、これらが見事な調和を見せている。
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