ギターロック
16小節の単純な曲ですが、演奏法によって魅力的になります。
まず、構成を分かっておきましょう。
1-8小節間と9-16小節間に分かれます。そしてその2つは、さらにそれぞれ1-4、5-8、と9-12、13-16に分かれます。
その上で、筆者の楽譜には強弱記号はフォルテが1つ、1小節目に書かれてあるだけに過ぎません。
それでは強弱はどのように処理すれば良いのでしょうか?
1-4と5-8の素材を比べたとき、筆者は5-8小節間の方が音量は大きくなると思います。音数から言ってもそれは自然な成り行きですね。故に、9-12というのは1-4と素材が同じですので、ここよりも、5-8と全く同じ素材の13-16を9-12よりも大きくします。
結果、 1-4小節間 メゾフォルテからフォルテの間 5-8小節間 フォルテからフォルテシモの間 9-12小節間 メゾフォルテからフォルテの間 13-16小節間 フォルテからフォルテシモの間 とすると、音楽はとてもわかりやすくなります。その他の注意点としてまずアーティキュレーションがあります。スタッカート、レガートを守りますが、問題はスタッカートです。決して重たくならないようにします。その際に、「瞬発力」を使うと5-8や、13-16の和音を綺麗なフォルテで弾くことが出来ます。瞬発力とは、力を加えようとした一瞬の反動です。実際にやってみましょう。
1 まず右手の1-3-5の指番号で5小節目の最初の和音であるCEGの伴盤に指を乗せておきます。この時完全に指は伴盤を触れていて、まだ下に下ろしていない状態にします。
2 ここから始まります。手首を一瞬だけ、下に向けて強い力を入れます。そうすると伴盤が下に降りた瞬間に、瞬発で手が上に上がってしまうはずです。これが「瞬発力奏法」になります。瞬発は本当にほんの一瞬にすぎません。力をためて構えるのではなく、1秒以下の話になります。あたかも、熱いものに手を触れて、さっと手をよける感じです。それが綺麗なフォルテを出します。 その上で、可能であれば、右手1の指の力を抜き、5の指に神経を集中し、Gの音が聞こえればパーフェクトです。
この曲は特にメロディックなシェーピングなどは必要なく、淡々と機械的に弾いてかまわないと思いますが、正確なテンポ、リズム、軽やかで鋭いスタッカート、なめらかなレガート、1段ごとの(4小節単位での)ダイナミックの変化等に気をつけます。そして強いて言えば、1-4小節間と9-12小節間の表情を変えて弾いてみてください。同じ素材でも表情を異ならせます。9-12の方を若干おとなしめに処理します。