バルトーク :ミクロコスモス 第5巻(122~139) 139. 道化師 BB 105 Sz 107

Bartók, Béla:Mikrokosmos 139. Jack-in-the-Box

作品概要

楽曲ID:26074
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:教育用作品
総演奏時間:0分53秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3

楽譜情報:5件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (860文字)

更新日:2023年5月15日
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この曲は、Con moto = 動きを付けて、scherzando (ユーモアたっぷりに)、そして4分音符が120位で、そして曲の最後に、58秒 と書いてあります。あまりメトロノームのように正確に進んでしまうと、Con motoが失われます。恐らくですが、長い音符、この曲で言うと4分音符で書かれたところに多少のテヌートをかけ、時間を取り、16分音符や8分音符は機敏にさらっと弾くようにすることで、動きを付けることができます。

例えばですが、1~8小節間を見てみましょう。この8小節間では4つのフレーズがあります。

1~2小節間、3~4小節間、5~6小節間、7~8小節間の4つです。それぞれのフレーズの最後の音符が4分音符であることに注目して下さい。まずタイミング的な事でお話をすると、16分音符2つと8分音符のユニットが3つありますね。これらはひとつひとつを一気に、さらっと弾くようにします。重たくなってはいけません。軽くさらっと弾きます。そして最後に4分音符の和音にたどり着きますが、この4分音符の和音では少しタイミングを余計に取ってもかまいません。16分音符2つと8分音符のユニットで時間を早めた分、4分音符でその早めた時間を含めて十分に時間を取るようにすると良いです。

次に音楽面での話です。この 1~8小節間、の4つのフレーズの表情を異ならせて下さい。例えば1つ目のフレーズと2つ目のフレーズはどのように異なるでしょうか?そして3つ目はもっと驚きですね?4つ目は、これが最後という感じがしますね。8小節目、多少テンポをゆったりとさせても良いと思います。いずれにせよ、これら4つのフレーズは同じように弾かず、それぞれ異なった表情を与えます。

24~25小節間のフレーズと26~27小節間のフレーズ、28~29小節間のフレーズも全て異ならせて下さい。そして時間を取るところは多少ですが取ってかまいません。その方が、Con motoの感じが出せます。

淡々と弾く曲のように感じてしまいますが、自由に滑稽に弾く曲とお考え下さい。

執筆者: 大井 和郎