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ハイドン :ソナタ 第10番 ハ長調 Hob.XVI:1

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.10 C-Dur Hob.XVI:1

作品概要

楽曲ID:2479
作曲年:1750年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:第10番は「ウィーン原典版」における番号
※参考情報:前山仁美「ハイドンの世界」

解説 (1)

総説 : 原 晶穂 (1363文字)

更新日:2014年12月5日
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この楽曲はハイドンの初期にチェンバロのために作曲された。その規模と演奏技術の点から、技術がまだ練達していない愛好家に向けて書かれたものであると考えられている。

第1楽章 ハ長調 4分の4拍子 Allegro ソナタ形式

全体は50小節で、前半17小節、後半33小節からなる。

主題は第1~7小節であり、これは第1~3小節(動機a)と第4~7小節(動機b)の2つに分けられる。主題の前半部分(動機a)は分散和音の上行形、主題の後半部分(動機b)は短2度の下行を2回繰り返した後、刺繍音をはさんだ上行順次進行による。

8~15小節で属調(ト長調)に転調する。主題に由来する部分(第8~15小節)は第8~11小節(動機c)、第12~15小節(動機d)2部分に分けられる。(動機c)では引き続きアルベルティ・バスを伴い冒頭主題の分散和音の音型が再び利用されるが、8分音符の躍動的なリズムが冒頭主題の4分音符の規則的なリズムと対照をなす。(動機d)では右手に16分音符の刺繍音を伴う動機が置かれる。第15小節の全終止でト長調が確立されると、コデッタにあたる第15~17小節では同じフレーズが偽終止と全終止で繰り返される。

ト短調で始まる楽曲後半では提示部の動機が(動機a)、(動機b)、(動機d)、(動機c)の順ですべて現れるが、それらはニ短調の借用和音を経て、イ短調を指向する。30小節目からは冒頭主題がイ短調で再現され、借用和音を経て主調(ハ長調)主和音に解決する。コーダ(46~50小節)では1オクターブ下げつつ偽終止と全終止の組み合わせを2回繰り返す。

第2楽章 ハ長調 4分の4拍子 Adagio 二部形式

全体は17小節で、前半8小節、後半9小節からなる。

第1~2小節に出てくるフレーズは以降何度も出てきて、16分音符の3連符による装飾的な音型が旋律に優美さを与える。

冒頭の伴奏は基本的に主音と第3音からなる長3度音程の同音反復であるが、主旋律が高音にさしかかるとき、4度の和音の根音と第5音の完全4度音程になり(第2小節3拍目)、その後すぐに最初の長3度の反復音型に戻る。この和音の一時的な変化はこの楽章の坦々とした冒頭を引き立たせる。

第11~13小節目までは偶数単位で楽節を作っていたが、ここだけ奇数小節で楽節が構成される。また、借用和音が多用され、和音の終止までにより多くの小節が費やされる。特にIV度上の属七の和音からのIV度の和音の進行が2回繰り返される。また同じ第11〜13小節間の同じ分散和音の繰り返し、もしくは同音反復はこの楽節をまとめることと次の動機を導き出すこと(紡ぎ出し)に効果的である。

第3楽章 ハ長調 4分の3拍子 Menuet-Trio 三部形式

主和音と属七の和音の進行の組み合わせがMenuetの緩やかなテンポに生気を与えている。13~20小節は1~8小節の繰り返しだが、ここで初めて明確なカデンツによって全終止する。

Trioではハ短調の下行順次進行の主旋律からなる楽節(第21~28、36~43小節)が、変ホ長調の下行順次進行から模倣反復進行に続く楽節をはさんでいる。ちなみにこのTrioが実質ハ短調(変ホ長調)であるのにニ短調の調号で書かれているのは伝統的な「ドリア譜」の記譜によるものだったからである。

執筆者: 原 晶穂

楽章等 (3)

第1楽章

総演奏時間:3分00秒  ステップレベル:応用3,応用4,応用5

解説0

編曲0

第2楽章

総演奏時間:3分00秒  ステップレベル:応用2,応用3,応用4

解説0

編曲0

第3楽章

総演奏時間:2分30秒  ステップレベル:応用2,応用3,応用4

解説0

編曲0