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ショパン :ワルツ 第7番 Op.64-2 CT213 嬰ハ短調

Chopin, Frederic:waltzes Valse No.7 cis-moll Op.64-2 CT213

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ワルツ
総演奏時間:3分30秒
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解説 (3)

解説 : 安川 智子 (964文字)

更新日:2019年1月9日
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嬰ハ短調 作品64-2

【作品の基本情報】

作曲年:1846~47 出版年:1847 (Paris, Leipzig)

献呈 : シャルロット・ド・ロトシルド(ナタニエル・ド・ロトシルド男爵夫人)  A Madame la Baronne Nathaniel de Rothschild

【楽譜所収情報】

パデレフスキ版:No.7/エキエル版:No. 7/コルトー版:No. 7/ヘンレ版:No. 7/

ペータース版(原典版):(No. 7, 補遺5[ロトシルド家が所蔵していた自筆譜に基づく])

主音は作品64-1と異名同音関係にあたる(変ニと嬰ハ)。そのため4分音符による最初の一音(属音の嬰ト)は変ニ長調のワルツと同じ音であるにも関わらず、次に続く短3和音で全く異なる哀愁に満ちた短調の響きへと転換する。冒頭2小節が右手の6度並進行・半音下降による長い嘆息だとするなら、次の2小節では細かく優雅なステップが続く。この伸び縮みの感覚はこの曲全体に行き渡っており、絶妙のバランスを保っている。たとえばA-B-C-B-A-Bという構造の中で、情感豊かに歌われるAやCと、ノンストップの円舞であるBが交互に現れる。

三度繰り返されるBには、「più mosso(速度を速めて)」の表示があるところとないところがあり、またフランス初版とドイツ初版の間にも違いがある。作品64-1と同じ変ニ長調に転調するCでは「più lento(速度を遅めて)」の表示があるため、その後のBでは速度を戻す意味で「più mosso」が指示されたのであろう。いずれにしても、自由度の高い速度の揺れが、この曲の大きな魅力となっている。

この曲を献呈されたシャルロット・ド・ロトシルドは、ジェイムズ・ド・ロトシルド男爵の娘であり、ショパンのピアノの弟子であった。ショパンは1832年に、男爵のサロンで同夫人ベッティに出会ったことから、ベッティとその娘シャルロット、さらに孫娘マチルドにピアノを教えるようになった。《ワルツ》変イ長調(作品69-1)、《バラード第4番》ヘ短調(作品52)などの重要な作品もシャルロットに贈っていることから、彼女が(あるいはロトシルド家が)ショパンにとって大切な存在であったことがよく分かる。

 (2010年2月 安川智子 ※2014年7月改訂)

執筆者: 安川 智子

解説 : 齊藤 紀子 (186文字)

更新日:2019年6月25日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (2690文字)

更新日:2018年3月12日
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