この《5つのマズルカ》作品7は、ラ・ヌーヴェル・オルレアンのポール・エミール・ジョーンズ氏に捧げられている。
1曲目の変ロ長調はヴィヴァーチェのマズル。用いられる和音の種類が比較的限定されており、和声が明瞭である。そして、途中に空虚5度が特徴的なクヤヴィアクが挿入されている。
2曲目のイ短調は、中間部に半音階的和声が特徴的なマズルを持つクヤヴィアクである。
3曲目のヘ短調は8小節の序奏を持つ。オベレク、クヤヴィアク、マズル、クヤヴィアク…と3種類のマズルカが次々と登場する。
4曲目の変イ長調はプレスト・マ・ノン・トロッポで、オベレクで開始する。そして、途中にマズル風のスケルツァンドが挿入される。曲全体として変化に富む表情を持つ。終わり近くでは、突然イ長調に転調する。
5曲目のヴィーヴォはハ長調で書かれているが、全体的にハ長調とト長調の間で揺れている。4小節の序奏とそれに続く16小節の主部から成るクヤヴィアク。
※クヤヴィアク、マズル、オベレクの説明はこちら(佐藤展子さんの連載ページ)。