プロコフィエフ :10の小品 スケルツォ Op.12-10
Prokof'ev, Sergei Sergeevich:10 Pieces Scherzo Op.12-10
解説 : 山本 明尚 (235文字)
主部は一定の三拍子のリズムを刻む伴奏と急速なパッセージによる。ハ長調の中間部は軽妙だが高度な技巧を求められるポリフォニックな右手が鮮烈であると同時に、伴奏は2拍単位の進行に変わり、右手と左手でポリリズムが形成される。このポリリズムは主部の再現にも引き継がれ、強烈な印象とともに楽曲を締めくくる。
ペテルブルク音楽院の学友で、ピアノ曲《レール》(1926)やオペラ《氷と鋼》(1929)で知られることになる作曲家、ヴラディーミル・デシェヴォーフ(1889〜1955)に献呈。