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バッハ : ジグ ヘ短調 BWV 845

Bach, Johann Sebastian : Gigue f-moll BWV 845

作品概要

楽曲ID:2283
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ジーグ
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

執筆者 : 朝山 奈津子 (308 文字)

更新日:2008年4月1日
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現在では偽作とされる。《アルマンド ハ短調》(BWV834)とともにベルリンの国立図書館に所蔵される資料(P 314)にのみ伝えられる作品。旧全集の校訂報告にはすでに「比較的新しい筆写譜、ぞんざいであまり信頼できない」と述べられている。が、真の作曲者はまだ明らかでない。

冒頭は右手が先行して模倣で始まるが、複雑な対位法は展開しない。ジーグの闊達なリズムがきわめて明確で、音域とテクスチュアの変化が簡明な2声部に色合いを与えている。バッハの作でないとしても、演奏者、鑑賞者ともに楽しめる小品といえるだろう。

バッハ新全集には収載されず、校訂譜も多くはない。信頼できる楽譜は旧全集第42巻263-264頁に提供されている。

執筆者: 朝山 奈津子

演奏のヒント : 大井 和郎 (431 文字)

更新日:2023年10月30日
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元々はオーボエとギターの為に書かれました。このジーグをピアノで演奏しようとする奏者は、オリジナルの、オーボエとギターヴァージョンの音源を見つけて是非聴いてみて欲しいです。

オリジナルでは、ト音記号がオーボエ、ヘ音記号がギターと基本的には2声のジーグとなっています。特に、オーボエとギターを再現する必要もありませんが、興味のある方は、アーティキュレーションで2つの楽器を再現してみて下さい。上声部はオーボエですので、滑らかなレガートで弾いて下さい。下声部はギターですので、ドライなスタッカートで8分音符を弾き、付点4分音符も多少短めに切ると、それらしくきこえます。

ピアノで弾くからにはピアノの特性を活かすという考え方であれば、それは勿論ありですので、この場合、アーティキュレーションは自由です。

f-mollという、バッハに取っては特別な調でありながら、楽天的要素も多く含んでおり、悲しみを表現する半音階的進行もありませんので、リズミカルに楽しく弾いて良いと思います。

執筆者: 大井 和郎
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楽譜