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バッハ : シンフォニア 第15番 BWV 801 ロ短調

Bach, Johann Sebastian : Sinfonia Nr.15 h-moll BWV 801

作品概要

楽曲ID:22627
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:D級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用4 応用5 応用6 応用7 発展1 発展2 発展3 発展4

楽譜情報:42件
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解説 (3)

解説 : 髙松 佑介 (331 文字)

更新日:2020年9月18日
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ロ短調、9/16拍子。

カプリッチョ風の自由な書法による楽曲。《インヴェンション》と同様だが、特に《シンフォニア》では全体として厳格なフーガ風の曲が多いため、軽い趣をもつ曲が曲集の最後を飾る点に意外性が生まれている。この意外性もユーモアの一種と捉えるなら、まさにこの曲はカプリッチョに相応しい。

大きく2部分から成る。前半部(第1小節~)と後半部(第14小節~)にコーダ(第35小節~)が連なり、各部の間に間奏が挟まれる構造となっている。コーダの前には、第32小節にフェルマータによる一時停止が置かれ、カデンツァの可能性を暗示する。そして曲の末尾には「Finis」とあり、これをもって《インヴェンション》から始まった一連の「正しい指導」を終えたことが明記されている。

執筆者: 髙松 佑介

楽曲分析図 : 林川 崇 (35 文字)

更新日:2018年3月15日
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譜例提供:  ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)

執筆者: 林川 崇

演奏のヒント : 大井 和郎 (1297 文字)

更新日:2018年3月12日
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シンフォニア 第15番 ロ短調  このシンフォニアの問題点は何と言っても技術面であると思います。32分音符を如何に綺麗にきちんと弾けるかで評価が決まってきてしまいます。そのような意味では15曲中、技術的には難しい部類に入るかも知れません。何はともあれ、技術あって演奏可能になることは確かですので、地道に丁寧に練習をしてみましょう。  最初の難関は3小節目のソプラノです。大きく分けて二通りの指使いがあります。ヘンレー版が推奨する指使いは次の通りです。 3小節目 1拍目: 212454      2拍目: 242154      3拍目: 242142  もう1つの指使いは、筆者が使うであろう指使いです。 3小節目 1拍目: 212353      2拍目: 232121      3拍目: 353232  2つ目の指使いの難点は、2拍目から3拍目に移る際に生じる跳躍です。この跳躍が広いのでレガートは切れます。もっともかなり早く弾かれますので切れるのは一瞬だけです。それよりも、この指使いが弾きにくいと感じる奏者もいると思います。  1つ目の指使いは、その跳躍の難点をカバーする指使いになっています。ただしこれも弱点はあり、2拍目に出てくる15という指使いが奏者にとって大変かどうかが選択の分かれ目になります。  続いて、超難関が6小節目です。何故超難関かというと、3小節目とは異なり、左右同時に32分音符を演奏しなければならなく、そうなると微妙なズレやムラが生じてしまうからです。通常、左手がこのような速い速度でアルペジオを演奏する機会はさすがに希であると思います。指使いは4を使うヴァージョンと、4を避けるヴァージョンがあります。どちらも書いておきます。  6小節目 1拍目: 454212       2拍目: 424512       3拍目: 412424  続いて4を使わないヴァージョンです。  6小節目 1拍目: 353212       2拍目: 323512       3拍目: 412323 (3拍目の頭だけは4を使います)  ヘンレー版の推奨する番号は4を使います。いずれにせよ、左手が動かしにくいですね。そこで、どのような練習をすれば良いのかお教えします。4を使うヴァージョンの2拍目の最初の4つの指番号である、4245 を使います。これで、D Fis D H を弾き、これを何回も繰り返します。この4245がスムーズにインテンポで弾けるようになれば、この小節は弾けるようになります。  この小節で左右のズレが生じたとき、その9割は左手の遅れに原因があると思って良いでしょう。  最終的に、はこのような3小節目も6小節目も、leggiero で、p で弾けるようにします。力を抜いたとき、ムラやズレが生じるようであれば、もう一度フォルテで弾けるように、ゆっくりの練習に戻ってください。  28小節目、ハープシコードやオルガンだからこそ可能なパッセージですね。ここは、奏者の都合の良いように、左右の音を省いたりしてください。左右を逆にしても何をしても構いません。

執筆者: 大井 和郎

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