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バッハ : シンフォニア 第14番 BWV 800 変ロ長調

Bach, Johann Sebastian : Sinfonia Nr.14 B-Dur BWV 800

作品概要

楽曲ID:22626
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用4 応用5 応用6 応用7 発展1 発展2 発展3 発展4

楽譜情報:42件
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解説 (3)

解説 : 髙松 佑介 (354 文字)

更新日:2020年9月18日
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変ロ長調、4/4拍子。

フーガ風の書法で書かれ、前半(第1提示部:第1小節~、第2提示部:第7小節~)と後半(第3提示部:第12小節~、第4提示部:第15小節~)から構成される。

この曲の特徴は、ストレッタが多用されている点にある。ストレッタとは、一つの主題が完結する前に、次の主題が重なって入る技法を指す。すでに第3小節や第6小節において、上声部に対して下声部が畳みかけるように入っているのが分かる。これらは間奏にあたるが、後半部において主題のストレッタが見られる。

後半部では、中声部が上声部に対して、まず第12小節から1拍遅れ、次に第17小節から半拍遅れのストレッタを形成する。そして最後の主題提示である第20小節からは、中声部→上声部→下声部の順で3声全てがストレッタで主題を提示し、楽曲の頂点を形成する。

執筆者: 髙松 佑介

楽曲分析図 : 林川 崇 (117 文字)

更新日:2018年3月15日
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主題は、入りが変型されて登場する箇所も多い。 17小節4拍目表から中声部に登場する旋律、及び、同小節4拍目裏から下声部に登場する旋律は、主題が大きく変型されたもの。

譜例提供:  ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)

執筆者: 林川 崇

演奏のヒント : 大井 和郎 (980 文字)

更新日:2018年3月12日
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シンフォニア 第14番 変ロ長調  このシンフォニアは、15曲中最もペダルが難しいシンフォニアと言っても良いと思います。それほどこのシンフォニアのペダルは大変です。勿論ペダルの大変さはテンポによっても状況が変わってきますが、このB-durのシンフォニアを見たとき、またバッハの他のB-durの曲を参考にしたとき、テンポ自体がそこまで速い曲では無いように感じます。AndantinoかAndante、あるいはもっと遅くても良いとも思います。勿論これは主観ですので、奏者がテンポ設定をして構わないのですが、仮にこれが割とゆったりと進むと仮定した上でお話をしましょう(筆者は4分音符が40前後であると感じています)。  筆者は現在ヘンレー版を見ていますが、例えば5小節目のソプラノは1拍毎に、4-5、4-5、4-5、と指使いが書いてあります。つまりはこの指番号を書き入れた人も、4から5に変えれるだけの余裕があるテンポと考えていると思います。  奏者がこのシンフォニアを練習する際に、まず最初にもっとも気を遣わなければならないのは指番号です。5小節目の4-5、4-5、4-5、という指番号は筆者には無理です。完全に不可能ではないのですがかなりきついです。従って、筆者であればこの小節のソプラノは5の指のみでとります。  音が変わる度に5の指のみでソプラノを演奏します。勿論、それでは切れてしまいますのでそれを例によって「一瞬のペダル」で繋ぎます。  このようにペダルに頼ることを「前提」に、臨機応変に対処しなければならない部分もありますが、逆に何とか指だけで繋いで欲しい部分もあります。例えば、14小節目の右手です。2拍目から3拍目まで指番号を書きます。ソプラノとアルト両方です。 2拍目:ソプラノ 4     アルト 1321 3拍目:ソプラノ 5-3 5   アルト 2-1  技術の見せ所は3拍目です。ソプラノの5-3-5は素早く行い、同時にアルトの2-1もこれも素早く行います。  奏者は、今まで学習してきたフィンガーペダル、指の入れ替え、ペダル、黒伴から白伴にスライドさせる同じ指番号、等等、あらゆる手段を最大限に駆使して指番号を決め、「可能な限りペダルを減らし」、16分音符の濁りを避けるように努力してください。それがこのシンフォニアの重要なヒントです。

執筆者: 大井 和郎

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