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バッハ :6つの小前奏曲 前奏曲 第2番 BWV 934 ハ短調

Bach, Johann Sebastian:6 kleine Praeludien Prelude Nr.2 c-moll BWV 934

作品概要

楽曲ID:22578
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:2分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用6 応用7 発展1 発展2

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (741文字)

更新日:2023年11月20日
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このプレリュードは、右手は殆ど8分音符で埋め尽くされており8分音符がスタートするとしばらくは止まること無く、休符も無く、音符は相当な小節数を埋め尽くします。一方左手は、単なるウオーキングベースとして存在しており、フーガの要素はありません。

この手の曲は、強弱が平坦になってしまうと、機械的な演奏になりがちです。まずこの点から解決していきます。

前半はシークエンスもありますし、上行形下行形がはっきりしていますので、比較的弾きやすいかと思います。そこで、21~31小節間を例に取ります。ここから先は単なる一例の分析に過ぎません。

20小節目で、誰が聴いてもEs-durで落ち着いたかのようにきこえますので、21小節目は柔らかなEs-durの音質からpでスタートします。しかし22小節目においてEナチュラルが出てきます。23~24小節間Desも出てきてf-mollを印象づけられます。しかしそれも25~26小節間においてc-mollに戻る感じを見せます。すぐに27~28小節間と、今度はg-mollを連想させます。そして、29~31小節間で完全にg-mollに転調し、32小節目がg-mollのカデンツになります。

このように、数小節単位で調性が移り変わります。しかし、これらの数小節単位をもっと大きく考え、ハーモニックシークエンスと呼んでしまっても構いません。その場合、21~24小節間で1つ、25~28小節間で1つ、という風に4小節単位の、2つのシークエンスと考えても構いません。

いずれにせよ、奏者はこれらの分析で、自分が同意する分析を選び、セクション毎、あるいはシークエンス毎に、音質や音量を変化させてください。

決して平坦にならないようにします。

他の場所も全て調性を分析してみてください。

執筆者: 大井 和郎

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