作品概要
解説 (3)
解説 : 髙松 佑介
(255 文字)
更新日:2020年9月18日
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解説 : 髙松 佑介 (255 文字)
ヘ短調、3/4拍子。
《インヴェンション》各曲の主題が基本的に簡潔であるのに対し、この曲の主題は4小節と比較的長く作られている。情感豊かなヘ短調の旋律は、とりわけバッハが序文に記した「カンタービレの方法」を学ぶのに適している。
楽曲はちょうど2部分に分けることができる。前半部では、まず上声部が主題を提示し、これに寄り添うかのように下声部が対位主題を奏でる。そして第5小節から両声部が転回し、第9小節から主題と対位主題を用いつつ転調してゆく。後半部(第17小節~)では、冒頭とは逆に、下声部が属調で主題を提示する。
楽曲分析図 : 林川 崇
(33 文字)
更新日:2018年3月15日
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楽曲分析図 : 林川 崇 (33 文字)
譜例提供:ベーレンライター(Bärenreiter Verlag)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1051 文字)
更新日:2018年3月12日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1051 文字)
第9番 ヘ短調 これはもちろんバッハから始まったことであるとは思いますが、多くの作曲家にとってfmollと言う調はとても深刻で悲しい調であると思います。このinventionも例外ではありません。例によって楽譜にはテンポマーキングもダイナミックマーキングも何も書かれていませんので、奏者が自由に弾けば良いのですが、提案をするのであれば、わりとゆっくり目に弾いたほうが曲の性格に合うと思います。 ゆっくり弾くと、音楽的にも難しくなってきます。幸いこのinventionは技術的には難しくありません。レガートで横に流れるように弾くことだけは忘れなければ良いです。主題は基本的に4小節単位で現れます。例えば1-4小節間を見たとき、右手に主題が来ていると仮定すると、3小節目で音が一番高くなってBに達しますね。1小節目よりも2小節目、2小節目よりも3小節目がダイナミック的には大きくなるようにします。3小節目でピークを迎え、4小節目で衰退していきます。これが基本のダイナミックです。これ以降に出てくる主題に同じように使います。主題が左手に移ったとき(例えば5小節目)も、同じマナーです。ただし、同じようにと言っても全く同じではいけません。これは後術します。 2小節目の1拍目右手には本来Asが来てしかるべきですが、それがナチュラルになっていたり、3拍目の左手が下行しているのにも関わらずEとDがナチュラルであったりと、バッハが特別なムード作りをしているのが手に取るようにわかりますね。 さて、主題は様々に変化していきます。また調性も変わります。奏者は同じ主題でも、変化の具合によってダイナミックや音色を変化させてください。例えば、1小節目の主題と、9小節目の主題は明らかにムードが異なりますし、13-14小節間の調性にも、今までとは変化をつけます。 またシークエンスにも気を使います。例えば25-27小節間、27小節目は完全なシークエンスではありませんが、順次進行で音階が2度ずつ降りてきますね。シークエンスの処理方法としては、下行=dimunendo 上行=crescendo と基本的には考えておいてください(もちろん例外もたくさんあります)。 さて28小節目から31小節目にかけて、左右の手が徐々に離れていきますね。バッハがこのような書き方をしたとき、多くの場合crescendoと思って間違いありません。さながら、パイプオルガンの太いパイプがなっているように、低音を響かせて良いと思います。
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