ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第1集 アナカプリの丘

Debussy, Claude Achille:Préludes 1 "Les collines d'Anacapri"

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:3分00秒

解説 (1)

解説 : 白石 悠里子 (546文字)

更新日:2020年1月27日
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アナカプリとはイタリア・カプリ島にある町の名だが、ドビュッシーの着想との関連性については不明である。全体は3部形式で捉えられる。第1部は、「H-Fis-Cis-E-Gis-H」の6音の第1モチーフ(第1-2小節)と、遠くから聞こえる鳥のさえずりのような第2モチーフ(第3-4小節)という2つの主要なモチーフから開始される(譜例1)。このモチーフは繰り返され(第5-7小節)、第2モチーフに基づく喜びに満ちた旋律がアルペッジョを伴いながら軽快に奏される(第8-31小節)。やがてバスに第1モチーフから派生した民謡風の旋律が静かに現れ、上声部へ移行して盛り上がりを見せる(第32-48小節)。第2部では、第2集第3曲〈ヴィーノの門〉にも見られる「タタタ・ターター」というハバネラ風のリズムが旋律に加わることで民謡的な要素が強調される(第49-62小節)(譜例2)。しかし、第63小節からは冒頭の6音モチーフが、ゆっくりと静かに回帰し(第63-65小節)、第3部へと連結される。ここでは、スタッカート旋律や民謡風旋律が短縮された形で再登場し、最後は冒頭の2つのモチーフが断片的に回想され、南欧の眩しい光を放って終わる(第66-96小節)。

【譜例1:冒頭】

 

【譜例2:ハバネラ風のリズム、第53小節】

執筆者: 白石 悠里子

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