チャイコフスキー : 「四季」-12の性格的描写 2月「謝肉祭」 Op.37bis ニ長調
Tchaikovsky, Pytr Il'ich : Les saisons - 12 Morceaux caracteristiques No.2 "Carnaval" D-Dur
作品概要
解説 (1)
解説 : 山本 明尚
(454 文字)
更新日:2019年6月25日
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解説 : 山本 明尚 (454 文字)
更新日:2019年6月25日
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もうすぐにぎやかなマースレニツァ
盛大な宴が活気づく
エピグラフはヴャーゼムスキーの「異国の謝肉祭」(1853)から取られている。
題名のマースレニツァとは、大斎期直前の一週間に行われ、春を迎えるロシアの民間儀礼のことで、古くからロシア人の生活に密接に関わっていた。家ではブリヌィ(クレープに似た伝統料理)が焼かれ、伝統料理が並び、若者たちは盛大に騒ぐ。野外も遊ぶ人々で賑やかになり、縁日、見世物小屋、のぞきからくり、さらには殴り合いの喧嘩すらも、この時期の街の華となる。
楽曲は、再現部を短縮した複合三部形式。主要部は、祝祭の快活さや楽しさが全体に満ち満ちている。冒頭の賑々しい和音は、見世物小屋のアコーディオンを模していると思われる。ヘ長調の中間部では、やや落ち着くものの、半音の使い方や、中とみられるパッセージはユーモアに満ちている。
執筆者:
山本 明尚
楽譜
楽譜一覧 (7)

チャイコフスキー 四季 作品37a TSCHAIKOWSKY
(株)全音楽譜出版社
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標準版 チャイコフスキー 四季
(株)音楽之友社
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チャイコフスキー 四季
(株)全音楽譜出版社
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チャイコフスキー : 四季 Op.37a/原典版
ヘンレ社(ヤマハ)
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