ショスタコーヴィチ : 24のプレリュードとフーガ 第14番 Op.87-14 変ホ短調
Shostakovich, Dmitry Dmitrievich : 24 Preludes and Fugues No.14 es-moll Op.87-14
作品概要
解説 (1)
解説 : 山本 明尚
(423 文字)
更新日:2021年1月9日
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解説 : 山本 明尚 (423 文字)
更新日:2021年1月9日
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前奏曲(アダージョ、1950年12月27日完成)は曲集の中で特異な響きを帯びている。冒頭の左手の絶え間ない変ロ音のトレモロの上で奏でられる、語りかけるような長大な旋律によって、音楽は終始緊張感を湛えている。楽曲終盤でのコラール調の楽句は束の間の休息感をもたらすが、再びのトレモロ伴奏によってすぐに打ち切られる。特徴的なトレモロ伴奏からムーソルグスキイの音楽との類似を指摘する者もおり、実際、歌曲〈トレパーク〉の不気味な序奏や《展覧会の絵》中の〈死者の言葉をもて死者とともに〉がこの前奏曲の中に反響しているように思われる。
フーガ(3声、アレグロ・ノン・トロッポ、1950年12月28日完成)の旋法的な主題は哀愁を帯びており、学者や批評家はそのなかに深い悲しみを読み取っている。一方で、それと同時に、急速な3拍子による舞曲様のリズムを帯びていることも見逃せない。対唱も含めてそれぞれの声部はほとんど休符を持たず間断なく続き、全体に流麗さを備えている。
執筆者:
山本 明尚
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