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シューマン : ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム) 狩りの歌 Op.68-7 ヘ長調

Schumann, Robert : Album für die Jugend "Jagerliedchen" F-Dur Op.68-7

作品概要

楽曲ID:21616
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:B級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎5 応用1 応用2 応用3 応用4 応用5

楽譜情報:16件
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解説 (3)

解説 : 鄭 理耀 (159 文字)

更新日:2019年10月6日
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ヘ長調、8分の6拍子。《マリーのための小品集》では第8曲目に置かれており、題名の変更はない(《マリーのための小品集》に含まれていた作品はここまで)。冒頭に「元気よく楽しそうに」の指示。クララは、第11-12小節および第15-16小節のpの部分について、追い立てられた獲物が森の中でさっと動いている場面だと説明している。

執筆者: 鄭 理耀

解説 : 熊本 陵平 (695 文字)

更新日:2025年3月4日
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三部形式である。

主題提示[a(1から4小節)+a1(5から8小節)]

展開[b(9から12小節)+b1(13から16小節)+移行楽節(17から20小節)]

終結[c(21から24小節)+c1(25から28小節)]

 主調はヘ長調。主題は基本的にユニゾンで構成されていて、非和声音は少なく和声音を中心とした跳躍進行が多い旋律である。フォルテから開始され、ユニゾンによる完全8度音程、冒頭cfの完全4度進行、分散和音線による跳躍進行によってリズミカルで勇ましい雰囲気が感じさせる。情景としてはさながら、狩に赴く時に鳴らされるファンファーレであろうか。7から8小節で属調ハ長調へ部分転調される。

  9小節から展開楽節となる。主調へと戻る。9小節冒頭モティーフは主題1小節目で見られる完全4度進行のモティーフを完全5度進行に変形したものである。そのモティーフをさらに11から12小節にかけて8分音符三つのリズムで展開されている。

こうした9から12小節の楽節が13から16小節ではニ短調へ転調されて反復される。その後17小節からは主調にて2小節単位の主題モティーフが2回繰り返されて終結部を迎える。

 終結部では、シューマンらしい下行していくゼクエンツから開始され、2度反復された後力強く全終止して終結する。25小節右手に見られる内声g音に対してのアクセントは、内声fgをポリフォニックに表現した際に、その動きをより強調することによって多層(多声)的に見せるためのものだと思われる。したがって、アクセントを重くし過ぎると不自然に聞こえるため、あくまでもその楽節全体の調和を考えながらニュアンスを考えたい。

執筆者: 熊本 陵平

解説 : 大井 和郎 (680 文字)

更新日:2025年5月30日
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この曲中に書いてある強弱記号を鵜呑みにせずに、色々考えていかなければなりません。例えば、9小節目はフォルテッシモと書かれていますが、13小節目も同じくフォルテッシモです。ではどちらのフォルテッシモの方がより大きいのでしょうか。テーマの音数や和声的な理由から、同じ強弱でも違いを付けていきましょう。

1小節目、フォルテと書いていますが、5小節目もフォルテです。12小節間と56小節間は全く音もリズムも変わりません。では、何故わざわざ5小節目にフォルテを付け直したのでしょうか。

12小節間は、狩人のホルンの描写であり、これは強くて構わないのですが、34小節間は異なった素材ですので、音質を変え、軽く、音量を控えめに弾きます。そのあとの5小節目のフォルテとお考えください。

全体的に、書かれてある素材によって音量と音質を変えてください。

シューマンは何故か、9小節目以降は、素材によって強弱を変えるように指示があります。このマナーを前半8小節でも実行して下さい。

後半、同じフォルテッシモでも、13小節目はショッキングな和音ですし、音数も多いので、こちらの方を、9小節目よりも強く弾きます。

ここでオクターブ奏法のコツを1つお教えすると、たとえオクターブであろうとも、下の声部(この場合左手)を、気づかれない程度に、若干音量を落とします。そうすることで、綺麗なオクターブを弾くことができます。

執筆者: 大井 和郎

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