作品概要
解説 (2)
解説 : 今関 汐里
(520 文字)
更新日:2019年8月7日
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解説 : 今関 汐里 (520 文字)
イ短調。4分の4拍子、Allegro。
1830年11月作曲。
ワルシャワのショパン博物館(M/191)とストックホルムの音楽文化財団Stiftelsen Musikkulturens Främjandeに自筆譜が現存する。
第1番の解説にも書いたように、この作品は、第1番と組になって作曲された。
右手の3、4、5の指をくぐらせ、半音階を滑らかに奏し、1、2(時折3)の指で拍頭の内声と弾き分けることが課題となっている。モシェレスのOp. 70, no. 3(ト長調)でも右手の半音階の演奏が課題とされており、こちらでは1、2、3の指が訓練の対象となっている。それに比べ、ショパンの本作品は、より打鍵の力の弱い指の強化を図り、比較的力の加えやすい親指等が16分音符による内声を担うためより一層繊細なコントロールを要求している。左手は、スタッカート付きの八分音符によるバスの単音と三和音からなり、和声的な支えをもたらしている。
A(1~18)-B(19~35)-A(36~49)の三部形式。Bは借用和音の頻出により、一時的に調が不安定となるが、32小節目から低音でイ短調の属音(e)が鳴らされることにより、Aの冒頭の音型と同時に主調イ長調が回帰する。
演奏のヒント : 大井 和郎
(817 文字)
更新日:2018年3月12日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (817 文字)
第2番 イ短調 最も難しい部類に入るエチュードです。音楽的なことはさておいて、まずは指が言うことを聞いてくれない事には話が先に進みません。筆者はこのエチュードを弾いたことはありませんが、指導したことはあります。ここで少し、練習のヒントとなる方法をお伝えいたしますので、試してみて下さい。 例えば29小節目を例に取ってみましょう。まず確かめることは、和音を取り除いた状態で、16分音符の音階のみを、和音を付けたときと同じ指番号で弾けるかどうか試します。 この時点でスケールを弾くことに問題が生じたのであれば、勿論和音をつけた状態で弾くのはほぼ不可能です。まずは、543の指だけで音階を弾けるように練習します。 練習はフォルテで1音1音に力を入れて練習します。そして、345の指ががっちりと伴盤に入った状態で音階を弾けるようになったら、次の練習に入ります。同じく29小節目を例に取ります。まず、3つの音のグループを作ります。1つ目は、1拍目裏拍のA As と、2拍目表拍のG です。勿論このGには下にBとEsという音があり、これも一緒に弾きます。そして次のループを作ります。 A As G As A As G As A As G As etc Gの下の2つの音も含め、これら3つの音のグループを指番号通りに上行下行します。慣れてきたら次のグループに入ります。 次は、2拍目裏拍の F E と、3拍目表拍のEs の3つです。勿論Esの下にある和音も含めます。そして: F E Es E F E Es E F E Es E とループを作り練習します。後は同じ要領で練習をしてみます。筆者がこの方法で29小節目を練習すると3拍目裏拍から4拍目に来る、Des C B が最もきつかったです。理由は単純で、このBの下にある2つの音が離れている位置にあり、和音が掴みにくいからです。特に難しいと感じたグループを多く練習してみてください。
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