第2番 イ短調 最も難しい部類に入るエチュードです。音楽的なことはさておいて、まずは指が言うことを聞いてくれない事には話が先に進みません。筆者はこのエチュードを弾いたことはありませんが、指導したことはあります。ここで少し、練習のヒントとなる方法をお伝えいたしますので、試してみて下さい。 例えば29小節目を例に取ってみましょう。まず確かめることは、和音を取り除いた状態で、16分音符の音階のみを、和音を付けたときと同じ指番号で弾けるかどうか試します。 この時点でスケールを弾くことに問題が生じたのであれば、勿論和音をつけた状態で弾くのはほぼ不可能です。まずは、543の指だけで音階を弾けるように練習します。 練習はフォルテで1音1音に力を入れて練習します。そして、345の指ががっちりと伴盤に入った状態で音階を弾けるようになったら、次の練習に入ります。同じく29小節目を例に取ります。まず、3つの音のグループを作ります。1つ目は、1拍目裏拍のA As と、2拍目表拍のG です。勿論このGには下にBとEsという音があり、これも一緒に弾きます。そして次のループを作ります。 A As G As A As G As A As G As etc Gの下の2つの音も含め、これら3つの音のグループを指番号通りに上行下行します。慣れてきたら次のグループに入ります。 次は、2拍目裏拍の F E と、3拍目表拍のEs の3つです。勿論Esの下にある和音も含めます。そして: F E Es E F E Es E F E Es E とループを作り練習します。後は同じ要領で練習をしてみます。筆者がこの方法で29小節目を練習すると3拍目裏拍から4拍目に来る、Des C B が最もきつかったです。理由は単純で、このBの下にある2つの音が離れている位置にあり、和音が掴みにくいからです。特に難しいと感じたグループを多く練習してみてください。