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シュナーベル :7つの楽章による作品

Schnabel, Artur:Piece in Seven Movements

作品概要

作曲年:1936年 
出版年:1947年 
初出版社:Edward B. Marks Music Corporation: New York
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集

解説 (1)

執筆者 : 畑野 小百合 (675文字)

更新日:2010年9月1日
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《ピアノ・ソナタ》以後、13年の時を経てシュナーベルが再び手がけたピアノ曲である。最初の3つの楽章は1936年9月には既に完成しており、残りの4楽章の作曲と全体の改訂が1937年に為された。シュナーベルの書簡では、この作品に対する作曲家自身の高い評価が目立つ。自作の作品をめったに人前で演奏しなかったシュナーベルであるが、この曲に関しては、しばしば友人や同僚の前で自ら演奏したとの証言が伝えられている。

3声ポリフォニーによるシンプルな第1楽章に敏捷で決然とした第2楽章が続き、目まぐるしく変化する拍子や、本来の拍子をカムフラージュするようなアクセント、ヘミオラ的な拍節が交差する。アルペッジョ音型を核とする第3楽章では、ペダルの使用箇所と不要箇所が明確に指示され、細かい音群の多様な響きが演奏効果として得られるよう考慮されている。第4楽章は対位法的なテクスチュアを基調とし、位置・分量ともに全7曲中で中心的な意味をもっている。中間部では小節線が実質的な機能を果たしておらず、度々の変拍子が音響的に顕著な両端部と対象を成している。第5楽章は、拍節上のトリックに溢れた急速な3拍子の舞曲である。本作品中初出の緩徐楽章となる第6楽章は、これまでの跳躍に満ちた諸楽章から一転し、どの声部においても這うような動きが特徴的である。後半では音価の細かいカデンツァや束の間の急速部分を経て、長いトリルに包まれた瞑想の世界へと再び沈下していく。第7楽章では、第1楽章に用いられた動機やリズムが如実に、しかし変化を伴って提示され、チクルス的な連関の中で全体が閉じられる。

執筆者: 畑野 小百合
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