1845~1846年にかけて作曲され、翌年(1847年)に出版された。ショパンがパリに住んでから、友人でありチェリストであるオーギュスト・フランコームは芸術面と生活面で大きな支えとなっていた。彼に対して、「彼の友・パリ音楽院教授」という献辞を添えて出版されたのが、この作品である。全4楽章から成り、ショパンがチェロを独奏楽器として扱った作品としては4作目である。
第1楽章はアレグロ・モデラート、4分の4拍子。
ソナタ形式ではあるが、再現部において第1主題ではなく第2主題が再現されている点で、楽典的なソナタ形式の図式とは異なる。
第2楽章はスケルツォ(アレグロ・コン・ブリオ)、4分の3拍子。ニ短調。
冒頭は力強く始まり、拍子感が明確に刻まれる主題が提示される。片方のパートが動的な旋律、もう片方のパートが合いの手の如く和音(ないし対旋律)を奏でることで躍動感を持たせながら進んでいく。中間部はニ長調へと転調し、歌唱的な旋律を得意としたショパンらしいレガートの旋律をチェロ、分散和音をピアノが担当する「カンタービレ」。
第3楽章はラルゴ、2分の3拍子。変ロ長調で、歌唱様式による緩徐楽章である。ここで現れる主題は〈葬送行進曲〉(《ピアノ・ソナタ第2番》の第3楽章)に類似している。
第4楽章はアレグロ、2分の2拍子。展開部が再現部を兼ねた2部分形式となっている。コーダはト長調でピウ・モッソ・アル・フィーネ(終わりまで速度を増して)と記されており、明るく全曲を締めくくる。