作品概要
解説 (1)
執筆者 : 永井 玉藻
(571 文字)
更新日:2018年3月12日
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執筆者 : 永井 玉藻 (571 文字)
更新日:2018年3月12日
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1959年9月に作曲された、最後の二台ピアノ作品。前年の58年2月14日に没した、作曲家の長年の友人でありパトロンだった、マリー=ブランシュ・ド・ポリニャック大公妃の思い出に献呈されている。初演の時期などは不明だが、プーランクは近しい友人たちに宛てた手紙の中で、この作品を、「レ・ボーイズ」と呼んでいた2人のアメリカ人ピアニスト、アーサー・ゴールドとロバート・フィッツダールのために準備している、としている。そのため、初演はこの2人によって行われた可能性が高い。
作品にはプーランクのコメントが添えられており、「タバコをくわえて、コニャックの入ったグラスをピアノの上に置いて、即興しているかのように弾いてほしい。シンコペーションは全て(その前の和音の残響のように)、ごく軽く触れられるくらいであること。全体として、ペダルはミュートしすぎないこと」と、演奏への注意を促している。また、副題に「入れ替わる和音の」とあるように、基本的に和音の連続で構成されるこの作品は、同一のフレーズを同じピアノが弾かないように工夫されている。片方のピアノが一つのフレーズを弾いているように聞こえる箇所も、実際には2つのピアノ間でフレーズが分割されており、双方が均等に扱われている。5分ほどの作品だが、ピアニスト兼伴奏者としてのプーランクの経験が結晶した一曲である。
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永井 玉藻
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