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メンデルスゾーン :変奏曲 変ホ長調 Op.82 U 158

Mendelssohn, Felix:Andante con Variazioni Es-Dur Op.82 U 158

作品概要

楽曲ID:1130
作曲年:1841年 
出版年:1850年 
初出版社:Breitkopf und Härtel
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:8分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (686文字)

更新日:2007年10月1日
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1841年ベルリンにて、メンデルスゾーンは、《厳格なる変奏曲》、《変奏曲 変ロ長調》と、この《変奏曲 変ホ長調》の3つの変奏曲を書いた。傑作として知られる《厳格なる変奏曲》と比べると、技巧的にも易しくかかれている。平均演奏時間は、約8分30秒程度。

主題:アンダンテ・アッサイ・エスプレッシーヴォ。左右の手で分奏される和音に支えられながら、穏やかな旋律がソプラノで歌われる。ダイナミックの変化とともに、調の変化も意識したい。

第1変奏:16分音符に変化した主題が低音部と高音部とで掛け合いをみせる。

第2変奏:左手の6連音符の上で、変化した主題がなめらかに歌われる。右手は、旋律とそれ以外の音をひきわけて。

第3変奏:ピウ・ヴィヴァーチェ。第2変奏と対照的に、はぎれのよいリズムをもつ。16分音符の和音による旋律が低音と高音で掛け合いになっている。主題の旋律がいろいろな高さできこえてくるので、遠近法的な効果が耳に楽しい。

第4変奏:ピウ・モデラート 第3変奏とはまた雰囲気をがらりと変え、静かな印象に。低音で、B音のオクターブが一定のリズムで打たれ続けるため、他の変奏と比べても変化が少なく感じられる。

第5変奏:短い他の変奏と比べて、最も長い。第4変奏の性格とは対照的に、動的な華やかさをもつ。32分音符の勢いのある伴奏の上に8分音符で主題が歌われていき、ffのクライマックスにむけて展開していく。ここでは、左手で長くのばされたオクターブでつくられる響きの中で、32分音符が高らかに響き渡り、非常に美しい効果をあげている。その後、再び穏やかな主題が2回想起され、静かに曲をとじる。

執筆者: 和田 真由子
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