ウィリアムソン 1931-2003 Williamson, Malcolm
解説:オーストラリア音楽センター (1137文字)
更新日:2010年1月1日
解説:オーストラリア音楽センター (1137文字)
1931年シドニー生まれ。11歳でシドニー音楽院に入学。ピアノとフレンチホルンを学び、また作曲をユージン・グーセンスに師事する。1944年に音楽学士号を得て卒業。1950年にロンドンに移住し、新ウィーン楽派や、メシアン、ブーレーズといった作曲家のセリー音楽と出会う。1953年から作曲の修練を積み、エリザベス・ルーティエンスや、エルヴィン・シュタインの元で学ぶ。
この頃のウィリアムソンは、出版社での校正、教会オルガニストや聖歌隊指揮者、そしてナイトクラブのピアニストなど、多方面にわたる仕事に従事して自分の芸術活動を支えていた。こうした中で様々なタイプの音楽に触れた経験は、ストラヴィンスキーやメシアン、そして19世紀後半のドイツやイタリアの作曲家たちの音楽からの影響とともに、当時の彼の作風に反映された。また彼はこの時期にカトリック教に改宗しており、このこともまた彼の音楽に重要な影響を与えている。
ウィリアムソンは1960年代初め以降、順調にも作曲だけに専念することが出来た。彼の出版社から出された50歳を祝う作品目録のなかで、「同世代の中で最も委嘱されることの多い作曲家」と記載される。1975年、彼は19人目のマスター・オブ・クィーンズ・ミュージックとなる。イギリス人以外でこの地位を得たのは初の人物となる。作品には、交響曲、舞台作品、室内楽、合唱曲、宗教曲、映画音楽がある。彼はまた子供向けの音楽の作曲に強い関心を示した。いくつもの子供向けのオペラを作曲しており、その中にはオスカー・ワイルドの「幸福な王子」に基づくものがある。また聴衆参加型の小規模なオペラである「カッサシオン」があるが、これはもともと彼自身の子どもにオペラの仕組みを教えようというねらいから生まれたものである。また若い人々、精神的・肉体的に障害のある人々のための音楽にも関心を寄せた。
1950年代からイギリスに暮らしていたが(イギリスに居住するよう女王からの要請を受けていた)、ウィリアムソンは依然として自分の音楽は基本的にオーストラリア的であると考えていた。ある機会にこう述べている。「私の音楽の大半は、オーストラリア的だ。だがそれはブッシュ(※訳者注:オーストラリアに特有な自然林地帯)や砂漠のようだというのではなくて、オーストラリアの都市がもつ自信過剰なまでの活気のことだ。オーストラリア人は『引く』と書いてあるドアを押すようにして生きているが、それを形成しているあの活気のことである。」
1976年に大英帝国3等勲爵士、1987年に音楽活動と知的障害者への貢献のためにオーストラリア第4勲爵士を受ける1982年にはメルボルン大学が名誉音楽博士号を授与。
2003年3月に71歳で生涯を閉じる。
作品(15)
ピアノ独奏曲 (6)
ソナタ (4)
曲集・小品集 (5)
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組曲 (2)