第一楽章:Caminhando(Allegretto)
第ニ楽章:Sonhando (Poco lento)
第三楽章:Brincando (Mesto)
とあるアマチュアのフォルテピアノ愛好者からの委嘱を受け、1958に作曲。ハイドンの様式に着想を得た小さなソナタ。完成後委嘱者は他界。作曲から5年後に1度だけ、ピアノソナタ第4番の第2、第3楽章として同楽曲同楽章を挿入し演奏されるが、ウィリアムソンはこの作品が同時代のグランドピアノには不向きと考え、未発表作品群に埋没させていた。30年後、豪州ヴィクトリア州出身のピアニスト、アントニー・グレイの協力により再び作品は息を吹き返す。ウィリアムソンも1993年メルボルン大学にて全曲初演となる。
当初のピアノフォルテ用という用途が反映されて、彼の第1、第2ソナタとは全く異なる曲想。愛らしく叙情的だが、どこか浮遊感の漂うウィットに飛んだ雰囲気。最終楽章は変奏曲。主題は7音のみの極めて単純な旋律だが、変奏部は軽やかで動きが多い。最終変奏はコラールで、楽曲全体をしっとりと締めくくる。