
解説:菊池 朋子 (561文字)
更新日:2010年1月1日
解説:菊池 朋子 (561文字)
ブラジルを代表する作曲家であり、ブラジル音楽教育にも大きな改革をもたらした一人。音楽愛好家であった父のもと、幼少よりチェロやヴィオラに親しんでいて、独学で様々な楽器の演奏、作曲を試みていた。様々な種類の演奏活動を通して次第に彼が関心を持ったのは、生き生きとしたブラジル民衆音楽「ショーロ」であり、見事に吸収して自身の作品「ショーロ」を作曲した(1920年代に第1番から第13番まで)。さらにブラジル独自の音楽を追求し、20代のときにアマゾン奥地を含むブラジル全土を旅し、各地の伝承音楽に触れる。作曲家として本格的に活動し始めると、パリなどヨーロッパやアメリカ合衆国を訪れ、音楽家との交流などから国際的に活動の幅を広げていった。こういったヴィラ・ロボスと欧米のつながりはそのままブラジルとヨーロッパの関わりに置き換えることもできる。文化的にはヨーロッパのモダニズム潮流がブラジル押し寄せ、政治的にはヨーロッパとの関係を正面から確立しなければならない時期であった。ブラジル的伝統が根本に根ざしている彼の音楽は、ブラジル全体にとって、芸術によってブラジルのアイデンティティを示したといえるのだろう。
彼はあらゆるジャンルに多くの作品を残しているが、独自の大衆音楽と伝統的な西洋音楽それぞれの要素を取入れて自らの作曲語法を確立した。
作品(26)
ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) (1)
協奏曲 (5)
ピアノ独奏曲 (4)
曲集・小品集 (10)
性格小品 (4)
種々の作品 (4)