ダッラピッコラ 1904-1975 Dallapiccola, Luigi
解説:齊藤 紀子 (547文字)
更新日:2008年8月1日
解説:齊藤 紀子 (547文字)
イタリアの作曲家。イタリアで最初に十二音技法を採用した。当時オーストリア=ハンガリーの領土であったピジーノでイタリア人のための中学校の校長を務めていた父親が新しい音楽に関心を示し、息子が6歳の時にピアノを学ばせた。幼少の頃、オーストリア政府の圧力を受けてグラーツに移った経験は、ダッラピッコラに、権力に対する反抗心を植えつけた。古い音楽都市であったダラーツにはオペラ・ハウスがあり、モーツァルトやシュトラウス、ワーグナーの作品にふれることができた。第一次世界大戦が終結すると、一家はピジーノに再び戻ってきた。ダッラピッコラはそこからトリエステに通ってピアノと和声学を学んでいる。フィレンツェのケルビーニ音楽院でも学び、後に同校のピアノ科の教授を務めた。
ピアニストとしても活動した彼のピアノ作品は、鍵盤楽器の調律法の弦に則して展開している。実感できる「故郷」のないダッラピッコラは、画家や詩人、哲学者との交流を図り、絵画や彫刻、映画、演劇といった他の芸術から、人間の尊厳や自由、虜囚に伴う恐怖など自らの創作のテーマを見出していった。音楽を表現する媒体として人間の肉声を最も尊重し、聖書の他にラテン語、スペイン語、古フランス語、イタリア語、ドイツ語など様々な言語がそのテクストとして用いられている。
作品(4)
ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) (1)
ピアノ独奏曲 (2)