エドワーズ :右手のための3つのピアノ小品集
Edwards, Ross:Three little piano pieces for the right hand alone
解説 : 飯田 有抄 (355文字)
1983年、シャーレイ・ハリスからの依頼を受け作曲された。ハリスは、障害を抱えるピアノ学習者のための教授法を10年の歳月をかけて研究していた。この作品は、彼女がAllans Music Australiaから出版する「1手のためのピアノ音楽」を編纂中に、エドワーズに委嘱したものである。
標題をもたない急―緩―急の3つの小曲からなる。右手のみの作品とはいえ、音域は比較的広く、いずれも2オクターブに渡る。旋法的な響きを持たせている。それぞれ、8/8 (3+2+3)、3/4-6/8、3/4-6/8という拍子をとり、安定した拍節の中での揺れ感が楽しい。作曲者は「右手のために書いた作品だが、難易度は高く、メロディーと伴奏部分の調整を程よく取る必要がある。左手が使える演奏者は、自由に使ってもらいたい」と述べている。