作品概要
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:6分23秒
著作権:保護期間中
解説 (1)
解説 : 須藤 英子
(724 文字)
更新日:2026年9月16日
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解説 : 須藤 英子 (724 文字)
1990年公開のベルナルド・ベルトルッチ監督映画『シェルタリング・スカイ』のテーマ曲として作曲された。『ラスト・エンペラー』に続くベルトルッチ作品への参加2作目で、本作により1991年のゴールデングローブ賞作曲賞を受賞。坂本の代表曲の一つとして知られ、多くのミュージシャンにサンプリングされるなど、広く親しまれてきた(Ryuichi Sakamoto Official score store《The Sheltering Sky》)。原作はポール・ボウルズの同名の小説で、第二次世界大戦後の北アフリカを舞台に、愛を取り戻そうと旅に出たアメリカ人夫婦が、深い孤独と喪失に直面する物語である。坂本は「愛」を主題に、ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》やヴェルディの《レクイエム》を念頭に置いて作曲したと述べている(山下、2008:582)。一方で、民族音楽研究者ヴァーナ・ギリスから、作品に漂う静けさや哀しみを「Deeply Japanese(深く日本的)」と評され、驚いたとも回想している(同:582)。自身によるピアノ独奏版では、静かで切ない旋律に加え、アフリカの大地を思わせる鼓動が随所に織り込まれている。なお、映画終盤の「あと何回、満月を見るだろう」という言葉は、坂本が晩年に口にした言葉でもあり、最後の自伝『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』の題名にもなった(坂本、2023:9、267)。
【引用・参考文献】
・Ryuichi Sakamoto Official score store《The Sheltering Sky》
・山下邦彦編著『坂本龍一の音楽』東京書籍、2008年
・坂本龍一『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』新潮社、2023年
