バッハ :前奏曲とフーガ フーガ BWV 897
Bach, Johann Sebastian:Praludium und Fuge Fuge
演奏のヒント : 大井 和郎 (402文字)
バッハの他のa-mollという調を考えたとき、決してf-mollのような深刻さはないのですが、楽天的でもありません。スケールの大きさと威厳を感じることの出来る調ではないかと感じます。半音階的進行はこのフーガには出てきませんので、湾曲したようなキャラクターではありませんが、83小節目以降にみられるような、減7のアルペジオも多く登場しますので、ドラマティックな側面も見られます。
テーマは、a-moll、e-moll、C-dur、G-dur、h-moll、g-moll、d-moll、F-dur、等に転調します。また、テーマのインヴァージョン(転回形)も74小節目近辺から始まります。
奏者は各調のテーマをその場の雰囲気に合わせて音量や音質を変え、全てのテーマが同じにならないように気をつけて下さい。そして最後のテーマはオクターブで、101小節目から始まり、ここが最もテンションの高まる部分として良いでしょう。
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