このような、和音をアルペジオにした、即興性の必要な曲ですが、強弱が平坦にならないようにすることが重要です。そのためには、和音の性格を表現することが近道です。例えば1小節目には拍の頭にそれぞれ3つの和音があり、これは比較的強弱が付けやすく、1番目より2番目、2番目より3番目の方が大きいという事がわかりますね。ところが、アルペジオが長く続くとついつい前の和音との兼ね合いを忘れてしまいがちです。
3小節目、和音はEGisHDF から、EGisHDEに変わり、次に、4小節目3拍目、DisFisACDIsFIsに変わり、9小節目でこの和音が、DisFisAHDIsFIsになり、前のCがHに降りてきて少しだけ穏やかになりますね。そして9小節目3拍目突然のAisCisEGAisCisEが来て、11小節目1拍目の和音、次に3拍目の和音、次に12小節目1拍目の和音、次に3拍目の和音、と、主要な和音のみを追うようにします。
その際に、分散される和音に変化が起きる場合もあるのでここに注意します。例えば3小節目はEGisHDFですが、4小節目、1番上のFがEに降りてきます。このような変化を逃さないようにします。
主要な和音がそろったら、それを連続して弾いてみましょう。そしてどの和音がテンションが高まるか、どの和音が穏やかになるか、等、強弱を決定していき、平坦になることを避けます。