モンポウ :前奏曲 第7番
Mompou, Federico:Prelude No.7
執筆者 : 和田 真由子 (347文字)
全12曲ある前奏曲の(うち2曲は未出版)第7曲目。1931年に作曲された。
“星でできた棕櫚の葉”という副題が添えられている。前奏曲中、ステージで演奏される機会は比較的多い。4分の4拍子、調号無し。デチーゾ、花火が散るような激しさをもって、強烈なインパクトをあたえる冒頭部。つづくppで半音階的に下降する音型は、光の残像をみているかのような効果を生んでいる。中間部は、モルト・トランクイロ―ポコ・ピウ・モッソ・マ・センプレ・ドルチェ。16分音符が織りなす響きの上、歌われていく旋律には神秘的、宇宙的な世界が広がる。旋律不協和にぶつけられた音、ひきさかれるような衝撃音。しかし、それ
らの一音一音が放つ光は強く美しく、はりつめたような緊張感の中、きく者の心をとらえてはなさない。標準演奏時間は約3分。