伝統的なクリスマスキャロル4曲に、デロ・ジョイオのオリジナルのキャロル3曲を加えて4手連弾用にまとめたアルバムである。オリジナルのキャロルは昔ながらのキャロルと錯覚するほど素朴で温かな味わいに富む。混声合唱版(管弦楽伴奏またはピアノ伴奏)もある。ヒンデミットに師事したデロ・ジョイオは本格的なクラシック作品で高い評価を得たいっぽうで、テレビ番組のための音楽(NBC放送の「ルーヴル」)でエミー賞(1965年)を受賞するなど、幅広い作風を見せた。アカデミズムとエンタテインメントの両面に通じた、こうした真の実力派が、クリスマスのための連弾曲集を手がけた意義は大きい。チェルニー30番のレベルで無理なく演奏できるのもありがたい。「きよしこの夜」を筆頭に、どこに出しても恥ずかしくない格調と、皆をよろこばせる親しみやすさを併せ持った名曲、名編曲がそろっている。
第1曲 O, Come All Ye Faithful 神の御子は今宵しも。ジョン・レディング作曲。Moderate 2/2 ハ長調
第2曲 The Holy Infant's Lullaby 救いの御子の子守歌。デロ・ジョイオのオリジナル。With simplicity 12/8 ヘ長調。
第3曲 God Rest Ye Merry, Gentlemen 星影さやけき。イギリス民謡。Stately 2/2 ホ短調。
第4曲 A Christmas Carol ア・クリスマス・キャロル。デロ・ジョイオのオリジナル。With serenity 6/8 ハ長調。
第5曲 Silent Night きよしこの夜。フランツ・グルーバー作曲。Quietly, with tenderness 6/8 ハ長調~ヘ長調。
第6曲 Bright Star (Light of the World) きらめく星。デロ・ジョイオのオリジナル。Moderateo 6/8 変ホ長調(調号なし)。
第7曲 Hark! The Herald Angels Sing 天には栄え。フェリックス・メンデルスゾーン作曲。With spirit 4/4 ヘ長調。