ベートーヴェン :第3番 第2楽章 メヌエット、6つの変奏曲
Beethoven, Ludwig van:WoO.47-3 2.Menuetto, 6 variationen
解説 : 鐵 百合奈 (404文字)
イ長調、4分の3拍子、変奏曲形式。素朴で優雅なメヌエットをテーマとして、六つの変奏が続く。全ての変奏が古典的な音型変奏であり、主題の和声進行を守っている。第1変奏は右手が優美なアルペッジョとなって16分音符に細分化され、それと対称に第2変奏は左手が同様に細分化され、右手は主題の旋律を奏でる。第3変奏では三連符を基調としてさらに細分化され、第4変奏では32分音符にまで細分化が進む。現代のピアノは鍵盤が重くなっているため、テーマと同じテンポを保つのは困難であろうが、作曲当時のフォルテピアノなら充分に可能であっただろうから、ここは技巧をひけらかすのではなく、あくまで音楽表現として、風が舞うように軽やかに弾かれたい。第5変奏でイ短調に転じ、シンコペーションを中心とした簡素なリズムにリセットされる。第6変奏は最終変奏らしく晴れやかな曲想。