徳山 美奈子 :序の舞~上村松園の絵に基づく~
Tokuyama, Minako:JO NO MAI
解説 : 杉浦 菜々子 (153文字)
◾️楽曲について
ピアニストの福間洸太朗からの委嘱を受けて作曲された本作は、上村松園の絵画「序の舞」に因んだものである。能楽の時間構成、「序破急」を基に作られたこの曲は、フランスのル・モンド誌にもその繊細さを賞賛された。初演は2018年6月18日、京都にて委嘱者で献呈者である福間洸太朗自身の演奏で行われた。
演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (306文字)
◾️演奏のヒント
この曲を演奏する際、音と音、小節と小節の間の「気配」、絵の余白から浮かび上がる「間」、「ため」、「気合い」のようなものを感じ、表現することが大切、と作曲者の徳山氏はおっしゃっています。
洋服を着て動く身軽な動きではなく、能楽や着物の所作をイメージし、動きの一つ一つに意味を感じて演奏すると緊張感や気迫のある演奏に繋がると思います。また、和声の変化は室内を照らす光の変化をイメージさせ、優しく揺れる光や、ダウンライトで一段階風景が暗くなるような瞬間も大切にしたいです。
曲の最後の、袖を翻す前の瞬間、又、音を鳴らさずcresc.する所は気合いと共に、より格調が求められます、という徳山氏の言です。
序の舞
楽譜 【Muse-Press】序の舞〜上村松園の絵に基づく〜ピアノ独奏曲
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