まず最初にペダルをマスターしておきます。これはこの曲を演奏する上で大変重要なポイントになります。足の届かないお子様は、アシストを利用してでもペダルを入れることをお勧めします。以下理由を説明します。
1ー4小節間の左手をご覧下さい。付点2分の和音が続きます。たまたま筆者の楽譜には指番号が書いてあり、1小節目 1-5、2小節目 2-4,3小節目 1-3 となっています。何故このような指番号かと言いますと、この指番号を使用することで、左手の和音を切れ目なく繋ぐことが可能になるからです。例えばチェロ2本とでもお考え頂き、決して横のラインを切らないようにしなければなりません。大変重要なことです。1ー3小節間は、上記の指使いで良いのですが、3小節目から4小節に移るとき、どうしても切れてしまいます。ちなみに、4小節目は1ー5の指使いが書いてありますが、前の小節から繋ぐのはほぼ不可能です。そこでペダルを用います。
3小節目、3拍めに来たとき、ペダルを踏みます。
4小節目、1拍目でそのペダルを離します。
これで、3ー4小節間の和音を繋ぐことが出来ます。
以下、14小節目3拍目から15小節目1拍目まで、3ー4小節間と同じペダリングにします。
16小節目、2拍目からペダルを入れ、同小節3拍目で離します。
22小節目、3拍目から23小節目1拍目まで。
24小節目、3拍目から、25小節目1拍目まで。
27小節目、1拍目から2拍目まで、これは右手の連打音、G2つを繋ぐためです。
30小節目、3拍目より31小節目1拍目まで。
32小節目、2拍目で踏み、3拍目で踏み替えます(離すのではなく、踏み替えます)。これは左、右の両方を繋ぐ目的です。
次にこの曲の方向性について考えてみましょう。この曲は2部形式です。
A:1-8
B:9-16
A:17ー24
B:25-32
冒頭のAセクションでは、フレーズは4小節単位になります。1-4 5-8 の2つです。それぞれ3小節目の1拍目がピークポイントとお考え下さい(もちろんこれはたった1つの考え方に過ぎません)。メロディー音を追っていくと、1小節目1拍目がB、2小節目1拍目A、3小節目1拍目G、4小節目1拍目Fisと順次進行で下行していますね。下行しているのであるから徐々に弱くなっていくという考え方もあると思いますが、筆者は3小節目の和音がもっともドラマティックに感じるので、3小節目をピークポイントにしました。5ー8小節間も同じです。7小節目の1拍目に向かいます。
Bセクションでは、11ー12小節間を山の頂上と考え、そこへ9小節目から上っていき、16小節目で完全に降ります。
2回目のAセクションは、カノンになります。この場合、和音はありませんので、1ー4小節間のような感情ではなく、記憶がどんどん巡ってくる、あるいは何かを模索している等の感覚です。この場合、譜面に書かれてある通りのディミヌエンドマーキングに従い、後ろに進めば進むほど音量を下げていきます(メロディーの始まり19小節目の左手や、23小節目の左手は大きく始まり、徐々に音量を落としていきます。つまりは右と左は異なった強弱で進みます。
2回目のBセクションは、1回目のBセクションと全く同じです。