バッハ :第23番 前奏曲とフーガ 第23番 フーガ BWV 868 ロ長調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.23 Fuge Nr.23 H-Dur

作品概要

楽曲ID:62176
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:2分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:1件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (467文字)

更新日:2023年7月17日
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バッハが感じるH-durという調は実に穏やかで平和な調です。通常であればフーガはそのテーマが近親調などの調に転調し、例えば長調の曲であれば短調のテーマは数回出てくるのですが、このフーガは24小節目に1回だけ出てくるだけで、あとは全て長調のテーマになります。この24小節目ですら、そこまでドラマティックではないし、決して深刻ではありません。実に静かに、何事も無く通り過ぎていきます。こうして考えると、バッハのE-durに近い性格の調かもしれません。

このフーガにはインヴァージョンと呼ばれる変形のテーマが2箇所出てきます。簡単に言うと、テーマの上に鏡を立てて読めばこうなるというテーマで、1回目は18小節目1拍目裏拍ソプラノのFisから始まるテーマ。もう1つは、20小節目1拍目裏拍アルトのHから始まるテーマです。

この2つは是非ともテーマ扱いにして、はっきりと聴かせてあげて下さい。

全体の強弱の差は勿論付けなければならないのですが、このフーガの場合、「ドラマ」というよりは、幻想の世界にいる感覚、静かで心地よい時間が流れるとお考え下さい。

執筆者: 大井 和郎
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