バッハ :第22番 前奏曲とフーガ 第22番 前奏曲 BWV 867 変ロ短調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.22 Prelude Nr.22 b-moll

作品概要

楽曲ID:62154
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:2分40秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (502文字)

更新日:2023年7月17日
[開く]

これが間違っていたら筆者の勉強不足なので大変申し訳ないのですが、筆者は平均律曲集第1巻、第2巻、以外のバッハの作品で、b-moll(変ロ短調)という調を他に見つけることができませんでした。もしかしたらどこかに存在するのかもしれませんが、いずれにせよ、極めて希な調であることは確実みたいです。

そしてこのb-mollという調は、バッハが使う調の中では最も悲しみを表現する調であることは間違いありません。f-mollよりももっと表現が強いです。このプレリュードでも、例えば、4小節目、3拍目、テノールとバスが短2度で、17小節目、1拍目、ソプラノとアルトが同じく短2度でクラッシュしています。悲しみを表現する書法です。

テーマは BCDes CDesEs DesEsF と徐々に上行し、悲しみが膨れ上がっていく様子を描写しています。

13小節目、一時の落ち着きを見せますが、15~16小節間、再び悲しみのドラマがピークを

迎えます。そして22小節目3拍目の重厚な和音がカデンツとなっています。

曲中全てがドラマティックであり、バッハが見せる意外な一面と言えます。奏者は、決して感情を内に込めずに、十分に表現して下さい。

執筆者: 大井 和郎