バッハ :第21番 前奏曲とフーガ 第21番 前奏曲 BWV 866 変ロ長調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.21 Prelude Nr.21 B-Dur

作品概要

楽曲ID:62153
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分20秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:D級級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:1件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (666文字)

更新日:2023年7月17日
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書法を見れば、テンポが速い曲であることは簡単にわかります。あまり遅いと重たくきこえますのでまずは32分音符が流暢に聞こえるような速いテンポに設定します。その上で、スタッカートを用いて軽快さを表現します。ここまでは多くの方が同意することです。しかしこのプレリュードの問題は、11小節目からのカデンツにあります。

11小節目からはソロの楽器が自由自在に技巧を見せる、カデンツ的な部分です。しかし割と多くの奏者がこの部分を実にメトロノームのように正確なテンポで弾きます。もちろん、どこが1拍で2拍で、リズムは32分音符が1拍に8つ入って、という事は知っておかなければなりません。しかし一度リズムやタイミングを把握したら、もう少し即興的に弾いてみましょう。これがこのプレリュードの演奏のヒントになります。

例えば、11小節目、2~3拍間、重厚な和音が鳴り響きます。オーケストラのtutti、あるいはパイプオルガンの多くのパイプが鳴っている状態と考え、ここは割と正確にリズムを取りますが、4拍目から始まる32分音符はソロの楽器と考えます。4拍目から始まって13小節目の1拍目まで32分音符のみが並んでいますが、これをコンピューターのように正確に弾かず、例えば、最初は少しゆっくり目からスタートして徐々にテンポを上げていく、等の即興性が欲しいのです。

あまりにも正確に進んでしまっては、カデンツらしくありません。奏者の感じるように自由に弾いてみましょう。つまりは、11小節目から20小節目までは、好きなように、何でもありと考えて下さっても構いません。

執筆者: 大井 和郎
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