バイエル :ピアノ奏法入門書(バイエルピアノ教則本) 第60番 Op.101-60

Beyer, Ferdinand:Vorschule im Klavierspiel No.60 Op.101-60

作品概要

楽曲ID:61346
初出版社:Litolff
献呈先:J. P. Gotthard
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:0分40秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎1

楽譜情報:11件

解説 (1)

解説文 : 熊本 陵平 (484文字)

更新日:2025年1月17日
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三部形式

 A[a(1から4小節)+a1(5から8小節)]

 B[b(9から12小節)+b1(13から16小節)]

  A[a(17から20小節)+a1(21から24小節)]

 1から8小節と17から24小節は同一楽節であるが、18から24小節にかけて左手がヘ音記号で書かれている点が異なる。

 全体の構造としては、左手は伴奏ではなく、右手の主題に対して対旋律の関係にあるので、左手にも表情があることが分かるような左右のバランス調整が大切だと考える。左手は冒頭開始1小節のみ模倣、他は対旋律となっている。2段目5小節目では冒頭とは逆に左手の方が先行している。7小節3拍目で属音によるタイがあり和声的に緊張感のある表現が求められる。

中間楽節Bは構造・構成としてはAと同じであるが、平行調ハ長調に転調している。A楽節ではメゾフォルテ、Bではフォルテの指示は恐らく調性の変化を表現するためにあるのだと考える。

執筆者: 熊本 陵平