バイエル : ピアノ奏法入門書(バイエルピアノ教則本) 第60番 Op.101-60
Beyer, Ferdinand : Vorschule im Klavierspiel No.60 Op.101-60
作品概要
解説 (1)
解説 : 大井 和郎
(729 文字)
更新日:2025年5月30日
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解説 : 大井 和郎 (729 文字)
大変難しい曲です。注目すべきポイントは、4つあります。
1 バランスの問題。一見カノンの様に見えますが、そうではありません。どちらかの声部をもう一方が追いかけるように聞こえますが、基本的には右手を優先し、左手を控えめにすることで綺麗なバランスが保てます。両声部(2声)を同じ音量にと仰る先生もいらっしゃるかも知れませんが、筆者が色々試してみた結果、右手を聴かせ、左手を柔らかくすることで全体的な硬さを取る事ができました。
2 フレーズは4小節単位ですが、例えば1〜4小節間をEDCHAと大雑把に考え下行していると仮定します。4小節単位で衰退していき、最後の4小節目を最も音量を弱く弾くと考えます。つまり、a-mollのセクションは、EDCHA、C-durのセクションは、GFEDCと考えるようにして、特に気をつけたいのは最後音である、4小節目のAやCには絶対にアクセントを付けないようにします。
3 調の問題。a-mollとC-durではカラーを変えます。どちらをどうするかは先生と相談してみてください。特に決まりはありません。しかし、両方とも同じように弾かないようにします。
4 テーパーリングについて。テンポを本当にほんの少しだけテーパーリング(衰退させ、少しゆっくり目に終わること)をかけることで、色が出てきます。この曲を、終始、メトロノームのように、コンピューターのように、正確に弾くよりも、多少の呼吸や、若干のルバートをかけてみる方向で考えてみて下さい。1つの考え方ではあります。
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