このクーラントの強弱を決定することはさほど大変なことではなく、主にはソプラノのラインの高低に合わせて強弱を付けるとほぼ間違いはありません。このクーラントはコレンテ系のクーラントですので、どちらかというとテンポが速い演奏のほうが望ましいと思われます。
さてこのクーラントですが、4声になる場合はあるものの、基本的には3声で動いていて、バスはわりと独立して聴くことができるのですが、問題はソプラノとアルトの区別です。
このソプラノとアルトを独立させることが難しい1つの原因に、声部同士の距離が近いことにあります。バスは離れていますので大丈夫なのですが、ソプラノとアルトはかなり近い位置にありますので、2つの声部が混在してしまいます。そこで強弱ももちろんですが、アーティキュレーションで工夫をしてみます。外声をレガート、内声をスタッカートにするだけで、ソプラノとアルトの区別は歴然としてきます。このクーラントの動画を演奏している黒岩氏は、見事なアーティキュレーションで声部の独立を成功させています。是非お聴きください。