ゆっくりのAdagioは即興的に自由に弾いて構いません。一見すると「どこかに向かう」という方向性も無いような感じがしますが、バスに注目します。バスは最初の2小節はA、3小節目で、A GとGに下がり、4小節目でF、最後の小節でEまで下がります。テンションは徐々に上がってくると考えますので、1小節目は、pから始めて、5小節目まで徐々に音量を上げ、フォルテになってから次のPrestoに入るととても自然に入れます。
Prestoに入ってからは、技巧的な技を見せることになりますので、できる限り速く弾きます。10小節目、最も音量を落として、11小節目から徐々に上げていきます。15小節目で一度ピークに達しますが、そこから少し音量を下げていき、19小節目からは再びクレシェンドをかけ、右手と左手が離れれば離れるほど音量を上げていき、最後の和音(23小節目)で、最もフォルテで弾くように、華やかに終わって下さい。