ローリー(ローレイ) :小フーガ 第4番
Rowley, Alec:Miniature Fugue No.4
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:基礎3 基礎4 基礎5
解説 : 佐竹 那月 (91文字)
イ短調。4分の2拍子。上行音階を用いた主題はfで堂々と提示される。第7小節からの小さな嬉遊部がpで始まり、ゼクエンツによってホ短調からイ短調へ転調した後、再び主調で主題が提示される。
演奏のヒント : 大井 和郎 (768文字)
ポリフォニーの曲ですので、左右双方のメロディーラインは独立して聞こえなければなりません。筆者は現在筆者が観ている楽譜の強弱記号が、果たして本人によって書かれたものかどうか疑問に思っています。その前提でお読みください。
テーマは4小節間とします。即ち、1ー4小節間をテーマとします。この1ー4小節間を見たとき、2小節目をピークポイントとします。1小節目はpから始まり2小節目でメゾフォルテ辺りまで音量を上げ、3ー4小節間はディミヌエンドします。この形を忘れずに、以降のテーマも同じようにシェープ(形取る)します。4小節目からは左手のテーマが始まります。
この左手のテーマも同じようにシェープします。そして7小節目よりシークエンスが始まります。
このシークエンスは下行していますが、クレシェンドをかけ、13小節目のテーマに備えます。仮にこのフーガにはテーマが4回出てきますね(1回目 1ー4小節間 2回目 4ー7小節間 3回目 13ー16小節間、4回目 16-19小節間)。今は3回目のテーマを最も大きい音量と決めています。そして4回目のテーマは少し音量を落とし、最後はmpで終わりたいというのが筆者の思いだったのですが、最後にはなんとフォルテッシモが書いてあります!これはゆっくりとアラルガンドのような終わり方を意味するのかも知れませんが、筆者であればmpで終わると思います。ご参考まで。
和音の解決により、音量を与えない方が良いであろう(音量を落として消えていくように弾く)箇所が4箇所あります。1箇所目、5小節目2拍目のDisから6小節目のEに行くとき。2箇所目、12小節目2拍目のGisから13小節目のAに行くとき。3箇所目、14小節目2拍目のGisから15小節目のAに行くとき、20小節目2拍目の裏拍のGisから21小節目のAに行くとき。
小フーガ 第4番
【課題曲ラボラトリーコンサート】小フーガ 第4番
動画 ピティナ全国大会常連ピアニストが教える!2022 ピティナ課題曲解説 B級 バロック【解説&演奏あり】ローリー:小フーガ第4番