わずか34小節のフーガですが、ドラマティックなフーガです。助言ではありますが、このフーガのピークポイントが、29~34小節間にあります(34小節目が最後の小節です)。従って、最後をピークポイントとするのであれば、最初はppから静かに始まった方がより効果的であると思います。
長いシークエンスは殆ど無く、テーマが次から次へと出てきます。テーマは各調毎に、あるいは、各声部毎に音量や音質を変えるようにします。
27小節目にストレッタが出てきますので、この場合、3拍目裏拍より、バスのテーマとなります。ソプラノのテーマはその瞬間静かにして、バスを出すと効果的です。
そして29小節目、ピークポイントを迎え、30小節目で下行してきますが、31小節目にドラマティックなナポリの6の和音BDFが1~2拍間に来ますので、下行しつつも33小節目の1拍目のバス、Dis に向かってクレシェンドをかけたいところです。故に30小節目のどこかで一度音量を落とし、再び音量を上げて33小節目のDisに向かうようにすれば良いです。33小節目は全体、かなりゆっくり弾いて構いません。