非常に技巧的なジーグです。ある程度快速なテンポで演奏するためには、特に左手のトリルが上手に入らなければならなく、このトリルによって演奏は変わってきます。例えば、5~6小節間の左手のトリルは次の小節まで止まること無く弾き続けなければなりませんが、左右同時にトリルが始まるため、左手のトリルの速度が右よりも遅かったり、左右ともに数を入れられなかったりすると、とても目立ってしまいます。かといってそのトリルを入れるためにテンポを落とせば、それはそれで活気が失われます。

冒頭9小節はそのような意味では最も技術を要する小節と思います。ここを過ぎればトリルはほぼ右手だけになります。

曲は深刻な部分や、悲しみを表現する部分は特には無く、活気があり、楽天的な要素もありますので、テンポを落として活気を失いたくは無く、よってトリルはなんとしてでも流暢に入れられるように練習をしてみて下さい。