平吉 毅州 : 子どものためのピアノ曲集《虹のリズム》 あやつり人形のひとり芝居
Hirayosi, Takekuni : Rainbow Rhythm The Marionette Dances Alone
作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 杉浦 菜々子
(554 文字)
更新日:2025年10月23日
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演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (554 文字)
あやつり人形がひとり芝居をするというユニークな設定を、音楽でどのように描くかがこの曲の鍵となります。まじめに構えすぎず、自由な発想で、生き生きとした演奏を心がけたいところです。あやつり人形の動きは、時に予想できず、ユーモラスでもあり、演奏者自身が芝居をしているような感覚で臨むと自然に表情が生まれます。明るい音色で、スタッカートは軽やかに、言葉を交わすようなテンポ感で進めると良いでしょう。
14小節目からのハ短調の部分は、それまでの動きとは対照的に、静けさと優しさが求められます。左手が主役となり、レガートの旋律を丁寧に歌わせることで、内省的な場面が浮かび上がります。22小節目の2括弧から再びスタッカートが戻り、24小節では左手の豊かなレガートの旋律と、右手のスタッカートの対話が印象的です。両者の性格の違いを際立たせながら、自然なやりとりになるように意識してみてください。
30小節目からは主題が戻り、38小節目以降では右手が左手を追いかける場面が現れます。ここでは拍の感覚がずれやすいため、左手の2拍目にあるテヌートをしっかり意識することで安定して弾き進めることができます。あやつり人形の動きや表情を思い描きながら、語るように、そして演じるように演奏すると、この曲の魅力がより自然に引き出されるでしょう。
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