作品概要
解説 (1)
            
            
              
                
                  演奏のヒント : 杉浦 菜々子
                  (603 文字)
                
              
              
                更新日:2025年7月21日
              
              
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            演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (603 文字)
                更新日:2025年7月21日
              
              
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            平吉毅州《はるかなるアフリカ》は、「はてしないひろがりを感じながら」という冒頭の言葉が象徴するように、広大なサバンナの風景を背景に持つ作品です。そのイメージとは対照的に、各フレーズはどこか神妙で、慎重な足取りを思わせるものになっており、大地に潜む生き物が周囲をうかがいながら静かに進むような雰囲気があります。音を出す際には、広がりと緊張感を同時に意識しながら、まるで草食動物のような目線で風景の中に身を置くような感覚を持つとよいでしょう。
旋律は動きのある音型に対し、二分音符で静止するような部分があります。動きが止まる瞬間には、まるで足がぴたりと止まったような感触で、時間の止まり方が表現すると面白いと思います。14小節目からはfで左手が力強く旋律を奏でます。ここでは、それまでの慎重な動きから一転して、堂々とした表情を持たせ、遠くまで響きが届くような気持ちで演奏したい部分です。
18小節目からのユニゾンは、やや滑稽な印象もあり、思わず踊り出すような軽やかさがあります。表情を切り替え、重くならず、少し茶目っ気のあるダンスのような雰囲気をもって弾くとよいでしょう。その後は徐々に音量を抑え、密やかなpの世界に戻っていきます。広大な自然の中での一場面が描かれるような構成で、終始、空間の広がりと細やかな表情の対比を意識しながら演奏することで、この曲の持つ独特な世界観がより鮮やかに浮かび上がってくるでしょう。
                  執筆者:
                  杉浦 菜々子
                
            
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楽譜
楽譜一覧 (1)
 
                
                  こどものためのピアノ曲集 虹のリズム
カワイ出版
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