南 聡 : ピアノのための《間-用語(禁止)》(ピアノソナタ第4番、《閃光器官c》を含む) Op.37
Minami, Satoshi : Inter-Diction/Piano Sonata 4 Op.37
作品概要
作曲年:1997年
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:13分00秒
解説 (1)
執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部
(588 文字)
更新日:2010年1月1日
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執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (588 文字)
門光子の委嘱により作曲、彼女のリサイタルで初演され彼女に献呈された。相互に関連しあった7つのバガテル楽章よりなる。演奏順序は固定されていないし、また切り出していくつかのピアノ小品」になる。
1楽章と2楽章の連結で《閃光器官c》
後半5,6,7楽章で《3つのデプロイメント》
7楽章単独で《首飾り》
である。
各楽章はモビールのように関連性を持ちつつも時間軸上浮遊している。たとえば2楽章は1楽章のドゥーブルであり、7楽章結尾では主題再現がなされているなどなどである。曲名は、ある体系による楽想の間に異なる体系より引き出された楽想が各楽章にひそむように仕組まれていることによる。これはロラン・バルトの「悦楽は言い表せられない(内部で語られる)、禁じられている(間で語られる)」といった意味遊びに刺激されたものである―禁じられたものは外では語られない。
曲中の秘密の遊戯は、この曲の主題音程とリズムを作る2つの重要な数列は、96年度の日本政府の赤字の国民一人当たりの平均値と税金の国民一人当たりの平均値だった。この数列は比較的口当たりの良い響きとしてしか聴衆につたわらない。3楽章は「矛盾の内包」4楽章は「抜け道」、そして終楽章の「首飾り」は「首をしめるもの」の寓意を持つ。
しかし、これらの寓意は隠れていなくてはならない、この音楽の表層は無邪気であり軽やかでなくてはならない。全曲13分程度。
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